2009年02月24日

ハレの日を祝う「目録」



わたくしごとながら、
NHK朝の連続テレビ小説は
毎朝の日課のひとつでございます。
現在放映中の「だんだん」も
そろそろ終盤を迎えております。

先週は、ヒロインのひとり、
舞妓であった夢花こと
一条のぞみが衿替え直前に
歌手になるという夢を追いかけるため
飛び出した祇園へ戻ってまいりました。
そして、芸妓として再出発を果たします。

ところで、
舞妓の店出し&芸妓の衿替え時には
同じ花街の人々や、ご贔屓さんなどから
「目録」が贈られます。

「目録」とは、
おめでたい図柄が描かれた大きな紙で、
室内、玄関、外壁などに張り巡らされ
店出しや衿替えに華を添えるものです。

現在、花街の目録を作成しているのは
和傘専門店の「辻倉」のご店主。
目録を書きはじめて40年以上だとか。


型紙を使って外枠を描き、
右上には熨斗が摺り込まれます。
鯛、恵比寿さん、鶴亀といった
おめでたいものを墨で描いて、
ポスターカラーなどで彩色します。
その後、中央上部に「一日柄」、
右上に「大人気」の文字が入り、
「日々に輝く」「日々に賑ふ」
といったおめでたい言葉が続きます。
そして、「沢山」の文字。
目録を送られる本人の名前が左に、
送る人の名前が右下に記され、
最後に本人名のしたに赤で
「さん江」と書いて出来上がりです。

芸舞妓にとっての大事な節目である
「ハレの日」を祝うためにも
欠かせないアイテムなのです。

実は、わたくしはまだ一度も
実物を拝見する機会に恵まれていません。
いつか、華やかに外壁を彩る「目録」を
見てみたいものだと思っております。



                 秘書 涼子
  


2009年02月17日

花街に春の訪れ




祇園の春を彩るものといえば
もちろん、「都をどり」です。
2月下旬には、その衣装合わせが
祇園甲部歌舞練場で行われます。
出演する芸舞妓たちが
新調された華やかな衣装姿で
パンフレット用の写真撮影に臨むのです。

花街のあちらこちらで
「都をどり」のポスターを見かけるようになると
春の訪れをしみじみと感じ入ってしまいます。


「ヨーイヤサー」の掛け声で始まる
芸舞妓による舞踏公演は
京の春を代表する催しとして知られ、
毎年、4月1日~30日の一ヶ月間に
1日4回公演で行われます。

そのはじまりは、
明治5年に演じられた
京都博覧会の特別企画なのだとか。
艶やかな京舞井上流が堪能できるとあって、
昨今では外国人や若い観光客の観客も
増えつつある人気の公演でもあります。

チケットはすでに発売中ですので
ご予約はお早めに。
「都をどり」をご観覧の際には
ぜひ、まり菊本店にもお立ち寄りくださいませ。
桜の花咲く京の都で
皆様をお待ち申し上げております。


                 秘書 涼子
  


2009年02月14日

まり菊石けん完売のお詫び


あたたかい風が吹き、春の到来を感じさせる日々が続いております。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?


今年は、初めての新宿伊勢丹さまでの催事に参加させて頂きました。
「祇をん まり菊」の名前も、少しづつですが皆さまに知っていただく機会をいただけましたこと
とても嬉しく感じております。
ご来店くださった顔馴染みのお客さま、興味を持って足を止めて下さったお客さま、
また、伊勢丹従業員さま‥数多くの方々に心より感謝申し上げます。


さて、泡立てネットに続きご好評いただいております「まり菊石けん」ですが、
皆さまからたくさんのご注文をいただき、只今入荷待ちの現状でございます。
ひとつひとつ手作りのため、仕上がるまでに2ヶ月を要する石けん‥
次回は、3月初旬の入荷予定とさせて頂いております。

冬の限定セット(フルセットもしくは石けんコース)をご希望のお客さまがおられましたら、
お届けが先へと延びますこと、どうかご了承くださいませ。
溶けやすく多少困ってしまう点もあるかと存じますが、
どうか大切に最後までお使い下されば幸いです。


それでは、季節の変わり目お風邪引かれませぬようお過ごし下さいませ。
  


2009年02月10日

日々是成長




「KY」という言葉が広まって
空気が読めない者への風当たりも
随分と強くなった気がします。

空気が読めることは
花街においてとくに重要なことのひとつ。
芸舞妓にとって
場を見て立ち居振舞う力…
いわゆる「座持ち」が必要です。
彼女たちは様々なシチュエーションで
多くのお座敷を短期間にこなすという
仕事経験の質と量によって
「座持ち」を培ってまいります。

お客様の顔色や関係性、その場の空気を読み、
適切なサービスで場を和ませること。
人と人との間を取り持つこと。
もてなしの場をつくり上げること。
それらの能力が「座持ち」です。

芸舞妓にとって「座持ち」は己への評価であり、
客にとってはお座敷を頼むかどうかの基準になります。

そして、さらに重要なのが
お座敷で求められる能力とは別に
芸舞妓自身がかもし出す雰囲気です。
ただ「かわいらしいなぁ」というだけでも
客がいつまでもお座敷をかけてくれるとは限りません。
時間とともに確実に失われていく
「若さ」だけに頼っていられる世界ではないのです。

そのためには、
多くの芸舞妓全体の中で
自分はどういう位置づけなのか、
特色はどこにあって、何が武器になるのか。
自分らしさ、アピールポイントについて
考え、それを磨くことが必要となります。
周囲との協調性を忘れることなく、
オリジナリティを発揮していくことは
並大抵のことではありません。

それらを、彼女たちは
働きながら学んでいき、
花街の一員である自覚とプライドを胸に、
プロフェッショナルで在り続けます。

そんな彼女たちに倣って、
わたしたちも働きながら常に学んでいけるよう
お客様との時間を大切にしたいと思います。



                  秘書 涼子
  


2009年02月03日

お化けが出た!




夏の怪談話ではなく、
花街には節分になると
お化けが出ます。

節分には、八坂神社で
奉納舞と豆まきが行われます。
(※上七軒は北野天満宮です)

その後、夕方からは
様々な装いに扮した芸舞妓が
お座敷に回るのです。
これを「お化け」と云い、
「越後獅子」といった
伝統的名ものから
流行を取り入れたものまで
その変装振りは多彩です。

わたくしが一度、
間近で拝見させていただいたときは
芸妓さんが新選組の格好をされていました。
確か、ちょうど大河ドラマが
「新選組!」のときだったように思います。

今夜あたり、
花街をぶらりと歩いていれば
愉快なお化けたちに
ばったりと出逢うかもしれません。


                秘書 涼子