2009年04月16日

都をどり

色とりどりに様々な花が咲き競う季節になりました。

みなさまにおかれましては、いかがお過ごしでしょうか。

先日、杉山店長と「都をどり」へ行ってきました。

まり菊本店から徒歩2分、花見小路通りを南へ歩くと大きな看板が見えます。






看板をくぐり、南へ100メートルほどで祇園甲部歌舞練場が見えてきます。







歌舞練場の中にある大きな桜の木は見事にもりもりと花をつけ、

お天気もポカポカで最高の都をどり日和。







私自身、二回目の都をどりとなり、今年は社長にお茶券付きのチケットを頂きました。

舞妓さんが目の前でお茶をたててくれはると聞いていたのでとても楽しみに。

いざ、お茶席へ向かうと綺麗な舞妓さんがいらっつしゃり、お客様をもてなされていました。







私たちも店長とおいしいお茶菓子と一緒に頂きました。







しかもこのお皿はプレゼントなんです。

店長は赤色、私は茶色のお皿を頂く事がでました。

お茶席から会場へ移動する途中に大きな庭へ出る事ができます。






席へ向かうまでにも景色をゆっくり楽しむ事ができました。

会場へ入ると正面に大きな舞台、両サイドに席に添う用に花道が延びていて

どこの席からも舞妓さんがよく見ることができます。












二階席もガヤガヤと沢山のお客様で埋まりだした頃・・・

開演を知らせるアナウンスと共にいよいよ都をどりが始まりました。

「ヨーイヤサーァ!」

と、可愛らしい掛け声と共に両サイドの花道から

数十人の舞妓さん達がおそろいの色鮮やかな水色の着物に

キラキラとした髪飾りを揺らしながら登場されました。
おもわず「かわいー」と声にだしてしまいました。



ほほ笑ましい場面もあり、私にもわかりやすくとても楽しめました。

中でも圧倒されたのが一場面ずつ暗黙になり、パッと照明がつくと

季節がガラっと変り綺麗に細かく再現されている花々に会場からも「うわー」と

ため息が出るくらい素晴らしいものでした。

フィナーレは芸子さん舞妓さんが総出で揃って踊られ、

とても華やかで本当に素敵な一時を過ごす事ができました。

会場を後にされるお客さまはみなさん素敵な笑顔で口々に「よかったわー」と

満足気に帰られていました。

私達も「よーいやさー」と掛け声のまねをしてみたり余韻に浸らずにわいられない帰り道でした。







毎年多くの方達が都をどりを目当てに京都に来られるのも納得です。

私も京都人としてあらためて京都の良さを感じる事ができました。

四月一杯の公演ですのでまだまだお日にちございます。

ぜひとも皆様、お友達ご家族で機会がございましたら行かれてみてください。


まり菊本店

金上綾香











  


2009年04月08日

東京、大阪のお客さま



春うらら

心弾む4月でございますでしょうか?

新橋の桜もとても綺麗です。

本日より来週火曜日まで
阪急うめだ本店7階 ぷいぷい物産展
新宿伊勢丹 4階  一般催事

にてまり菊本店が出店しております。

普段、通信販売などで遠方からお買い求めくださっているお客さま

この機会にぜひご来店くださいませ。



大阪では本店から店長以下お客さま担当が伺っております。

東京では、営業の坪井良平を筆頭に新人が活躍しております。

まだ、まり菊を使ったことないというお客さま

ぜひ一度、ご体感なさってください。

それでは、いつもながら

まり菊をご愛顧いただき、心よりお礼申し上げます。

店主  


2009年03月31日

「まり菊社長と秘書涼子」



本日で、三月も終わります。
早いもので、このブログをはじめて
丸一年が経ちました。

いつも「まり菊」をご愛顧いただいている
たくさんのお客様に支えていただき
何とかつつがなく更新して参りました。

毎週火曜日のアップに際し
いつも週末に原稿を作成していたのですが、
「ブログを続ける」という目的があってこそ
祇園街で働いていることを意識して
さまざまな行事に関心を抱きながら
ネタ探しのアンテナを張っていることができました。

そういう心のベクトルをコントロールすることは
もちろん、ブログの更新にも役立つと同時に
お客様とのおしゃべりや、おもてなしの姿勢にも
影響を与えてくれていたことと思います。

心を配る、ということは
まさにこういうことではないか、と。
いつも心に留めて、小さな変化を見逃さず
いま何が求められているのか、何が必要なのかを
常日頃から注意深く考えていることの大切さを
この一年間のブログ業務で痛感いたしました。

当ブログの中で
サービスについて、プロフェッショナルについて
芸舞妓の世界を例に、ご紹介して参りました。
その多くが、花街ならではの文化や伝統
しきたりや考え方に由来するものですが
それは忘れられがちな和の心だと思っています。

ひとまず、一端
週一の更新は幕を引かせていただき、
この春からの形態は現在考え中でございます。

このような堅苦しい文章のすぐあとで
何事もなかったように
ブログを再開しているかもしれませんが
そこはそれ。
あたたかく見守っていただければ幸いです。

そして、今後とも「まり菊」に変わらぬ
ご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
さらには、「まり菊」へのお立ち寄りを
春の京都散策のスケジュールに
加えていただければ大変うれしく思います。



                
                秘書 涼子
  


2009年03月31日

私も4年目を迎えました。



皆さま、祇園白川が今年もまた
春を知らせる季節を迎えました。

アルバイトとしてこのまり菊に携わってから
早くも私自身が4年目に入ろうとしております。

一緒に頑張ってくれているスタッフのほか
ここまで楽しくお仕事できているのも、
お客さまの温かいお言葉やお気遣いから。

初心を忘れることなく振り返りながらも
先を見つめて1日1日を過ごしていきたい、
あっという間に過ぎてしまう1年を、これまでの
感謝を少しづつ返していける1年にできたら、と思っております。


さて、皆さまは週末桜を観に出歩かれましたか?

カメラを首からぶら下げ歩いている方や

桜の風景を絵画で楽しむ方‥

辰巳神社や巽橋付近で椅子を持ち寄り
眺めながらお団子なんかも食べている方々。

それぞれのお花見の楽しみ方があること。
桜だけじゃなく、そのような情景すべてが微笑ましく思えてしまいます。


ちょうど桜もピークを迎える頃、
杉山・金上の2名は梅田阪急さまでお世話になります。
「ちちんぷいぷい物産展」は、
まり菊のようなコスメ・雑貨・食品までが集まり
店頭の販売員さんたちも皆楽しみになさっているのではないでしょうか。


‥この1週間でどうしても太ってしまう私。


行列が出来ている「ぷいぷいロールケーキ」は今年もあるのでしょうか?
きっと今年も食べられないでしょう‥。
昨年までの反省を踏まえ、太らないように気をつけます。


お暇がございましたらそんな食いしん坊な杉山を
是非とも止めにいらして下さい(笑)
皆さまのご来店を心よりお待ち致しております。




  


2009年03月26日

うめだ阪急「ちちんぷいぷい」物産展!




会期 4月8日(水)~14日(火)

場所 うめだ阪急 7階催事場


いつもありがとうございます。

新橋通の桜も咲き始めました。

毎年、恒例になってまいりましたぷいぷい物産展・・・・

今年も出店いたしますので、大阪のお客さま、是非この機会にご来店くださいませ。

店主   


2009年03月24日

桜が咲きはじめました。




京都の桜も花開き、
春の風物詩たる「都をどり」も目前です。
華やかな舞台に立つまでには
日々の練習の積み重ねが何より肝要とあって、
この時季の芸舞妓はお稽古に余念がありません。

張り詰めた空気の中で
お師匠さんの鋭い視線を一身に受けながら
何度も何度も練習、おさらいを繰り返す。
そうした緊張感に加えて、
舞妓からベテランの芸妓まで
全員が力を合わせてつくり上げていく
チームワークの力強さが
素晴らしい本番へとつながっていく。
そんな気がいたします。

桜の花が咲くころは、
どんなことでも、
陰なるたゆまぬ努力があってこそ
花開くのだということを
改めて、祇園の街から
教えられる季節でもあります。

三寒四温を乗り越えて
温かい陽気に誘われてほころぶ
桜の蕾のように
芸舞妓の美しい舞も
舞台にて華麗に咲き誇ります。

それらの花々を愛でるのは
花見と同様、春の愉しみのひとつ。

皆様も、絢爛な「都をどり」を
ぜひご覧になってくださいませ。
そして、「祇をん まり菊」に
お立ち寄りいただければ幸いです。

春の香り漂う祇園にて
皆様のお越しをお待ちしております。


                
                秘書 涼子
  


2009年03月17日

顧客ニーズについて




的確かつ新しい「情報」が
お金に換わる昨今、
マーケティングは企業にとって
欠くことのできない要素のひとつです。

多くの顧客のニーズに応じたものを
きちんと手配・用意する「おもてなし」。
お茶屋さんが提供する上質のサービスは
マーケティングなしには成立しません。
料理は出さずに、場所だけを貸し、
芸舞妓や料理に関する情報を収集し、
顧客の嗜好を理解した上で
彼らの要望以上に組み合わせていく。

お茶屋は、情報を重視する
ソフトタイプの業態だと言えます。

顧客たちの要望に応じて
パーツごとのサービスを調達するため
在庫を持つ必要はありません。
それは大きな強みでもあります。

とはいえ、
そうした極上のサービスを
誰もが気軽に楽しめるわけではありません。


そこで、
敷居は低くせず、間口を広げる
久子ママが営む「かつ村」のような
お茶屋バーが誕生します。
馴染みのお母さんとの話が目的なら
お酒代だけの手頃な料金で
お茶屋ならでの雰囲気を
楽しめるシステムになっています。

時代の流れに沿って
現代的ニーズに応えられるのも、
お茶屋が料理に関することを外部に頼り
顧客との接点を保つことを大切にして
多種多様な要望に的確に応じるための
数々の努力があってこそなのです。

こんなところでも、
「一見さんお断り」=長期会員制度で得た
マーケティング情報の積み重ねが
とても上手に機能しています。

お客様の希望を逸早く察して
きちんと応じることができてこそ
祇園街で愛され続ける
「まり菊」でいられるのだと
改めて、感じ入っている次第でございます。



                 秘書 涼子
  


2009年03月11日

京都以外の「花街」とは




日々、祇園という花街の中で
お仕事をさせていただいていると
芸舞妓さんも、京ことばも
日常になってまいります。

とはいえ、よそさんから見たら
それこそが京都らしさの一端。
京都ならではの魅力のひとつだと
思われていることも事実です。

ですが、花街はなにも
京都に限ったことではありません。
個人的には金沢茶屋町の風情は
しっとりしていて艶やかだと思います。


江戸時代から、大阪・東京という
日本の二大都市にも
京都に並ぶ有名な花街があり、
明治を経て、昭和半ばまでは
隆盛を誇っていたようです。

最盛期頃には、
大阪では、曽根崎(現北新地)をはじめ
計7ヵ所で約5300人
東京では、柳橋や新橋など
計33ヵ所に焼く7500人の芸者がいましたが、
昭和40年以降、急速に減少していきます。

どうやら最近では、
大阪の南地(ミナミ)と北新地を合わせて
20~30名ほどまでになっているとか。
温泉で有名な熱海のように
宴席に出向く機会や踊りの会が
観光資源として認識されている場所以外は
花街としての維持が厳しいのが現状です。

そんな中、東京・神楽坂では
昔ながらの花街らしい風情がある
路地や坂道がまだまだ残っていることから
花街をもっと知ってもらうための
NPO主催のイベントなどが行われているようです。
また、向島では置屋を兼ねる料亭が増えていて、
若い芸者数も増加傾向にあると云われています。

どこの地域でも、
伝統や文化を廃れさせず、受け継いでいくのは
そう容易なことではありません。
歴史は一朝一夕には成らず。

常々、肝に銘じながら
「まり菊」の歴史が一日でも長く続くよう
精進を重ねてまいりたいと思っております。


                 秘書 涼子
  


2009年03月03日

「花」について




本日3月3日は、桃の節句。
春の「兆し」を告げる「木」で「桃」。
桃は、昔から邪気を払うとされ、
運気の強い花として親しまれています。
鬼退治に出かけるのが
梅太郎でも柿太郎でもなく
桃太郎なのはそこに関係があるのかもしれません。

とはいえ、
文学の世界で「花」と言えば「桜」。
古事記や万葉集の時代では「梅」を指します。

そして、花街で「花」といえば
もちろん芸舞妓のことでもありますが、
彼女たちをお茶屋や料理屋へ呼ぶ
料金のことを「花代」と称します。

芸舞妓の接待は、基本的には
時間いくら、のシステムとなっております。
ゆえに、時間単位で料金が変わります。
落語の「たち切れ線香」でも知られるように
この時間を計るのに、時計がなかった時代は
線香1本の燃え尽きる時間を目安にしていました。

また、芸舞妓が他府県へ出張する場合は
「立花料」という別の出張料金が発生します。
いつもはお座敷で咲く美しい花が
ときには立って遠くまで……
なんと的を得た表現でしょう。

何気ないところで、
花街の、引いては京の
風雅に触れる祇園での日々でございます。



                 秘書 涼子
  


2009年02月24日

ハレの日を祝う「目録」



わたくしごとながら、
NHK朝の連続テレビ小説は
毎朝の日課のひとつでございます。
現在放映中の「だんだん」も
そろそろ終盤を迎えております。

先週は、ヒロインのひとり、
舞妓であった夢花こと
一条のぞみが衿替え直前に
歌手になるという夢を追いかけるため
飛び出した祇園へ戻ってまいりました。
そして、芸妓として再出発を果たします。

ところで、
舞妓の店出し&芸妓の衿替え時には
同じ花街の人々や、ご贔屓さんなどから
「目録」が贈られます。

「目録」とは、
おめでたい図柄が描かれた大きな紙で、
室内、玄関、外壁などに張り巡らされ
店出しや衿替えに華を添えるものです。

現在、花街の目録を作成しているのは
和傘専門店の「辻倉」のご店主。
目録を書きはじめて40年以上だとか。


型紙を使って外枠を描き、
右上には熨斗が摺り込まれます。
鯛、恵比寿さん、鶴亀といった
おめでたいものを墨で描いて、
ポスターカラーなどで彩色します。
その後、中央上部に「一日柄」、
右上に「大人気」の文字が入り、
「日々に輝く」「日々に賑ふ」
といったおめでたい言葉が続きます。
そして、「沢山」の文字。
目録を送られる本人の名前が左に、
送る人の名前が右下に記され、
最後に本人名のしたに赤で
「さん江」と書いて出来上がりです。

芸舞妓にとっての大事な節目である
「ハレの日」を祝うためにも
欠かせないアイテムなのです。

実は、わたくしはまだ一度も
実物を拝見する機会に恵まれていません。
いつか、華やかに外壁を彩る「目録」を
見てみたいものだと思っております。



                 秘書 涼子
  


2009年02月17日

花街に春の訪れ




祇園の春を彩るものといえば
もちろん、「都をどり」です。
2月下旬には、その衣装合わせが
祇園甲部歌舞練場で行われます。
出演する芸舞妓たちが
新調された華やかな衣装姿で
パンフレット用の写真撮影に臨むのです。

花街のあちらこちらで
「都をどり」のポスターを見かけるようになると
春の訪れをしみじみと感じ入ってしまいます。


「ヨーイヤサー」の掛け声で始まる
芸舞妓による舞踏公演は
京の春を代表する催しとして知られ、
毎年、4月1日~30日の一ヶ月間に
1日4回公演で行われます。

そのはじまりは、
明治5年に演じられた
京都博覧会の特別企画なのだとか。
艶やかな京舞井上流が堪能できるとあって、
昨今では外国人や若い観光客の観客も
増えつつある人気の公演でもあります。

チケットはすでに発売中ですので
ご予約はお早めに。
「都をどり」をご観覧の際には
ぜひ、まり菊本店にもお立ち寄りくださいませ。
桜の花咲く京の都で
皆様をお待ち申し上げております。


                 秘書 涼子
  


2009年02月14日

まり菊石けん完売のお詫び


あたたかい風が吹き、春の到来を感じさせる日々が続いております。

皆さま、いかがお過ごしでしょうか?


今年は、初めての新宿伊勢丹さまでの催事に参加させて頂きました。
「祇をん まり菊」の名前も、少しづつですが皆さまに知っていただく機会をいただけましたこと
とても嬉しく感じております。
ご来店くださった顔馴染みのお客さま、興味を持って足を止めて下さったお客さま、
また、伊勢丹従業員さま‥数多くの方々に心より感謝申し上げます。


さて、泡立てネットに続きご好評いただいております「まり菊石けん」ですが、
皆さまからたくさんのご注文をいただき、只今入荷待ちの現状でございます。
ひとつひとつ手作りのため、仕上がるまでに2ヶ月を要する石けん‥
次回は、3月初旬の入荷予定とさせて頂いております。

冬の限定セット(フルセットもしくは石けんコース)をご希望のお客さまがおられましたら、
お届けが先へと延びますこと、どうかご了承くださいませ。
溶けやすく多少困ってしまう点もあるかと存じますが、
どうか大切に最後までお使い下されば幸いです。


それでは、季節の変わり目お風邪引かれませぬようお過ごし下さいませ。
  


2009年02月10日

日々是成長




「KY」という言葉が広まって
空気が読めない者への風当たりも
随分と強くなった気がします。

空気が読めることは
花街においてとくに重要なことのひとつ。
芸舞妓にとって
場を見て立ち居振舞う力…
いわゆる「座持ち」が必要です。
彼女たちは様々なシチュエーションで
多くのお座敷を短期間にこなすという
仕事経験の質と量によって
「座持ち」を培ってまいります。

お客様の顔色や関係性、その場の空気を読み、
適切なサービスで場を和ませること。
人と人との間を取り持つこと。
もてなしの場をつくり上げること。
それらの能力が「座持ち」です。

芸舞妓にとって「座持ち」は己への評価であり、
客にとってはお座敷を頼むかどうかの基準になります。

そして、さらに重要なのが
お座敷で求められる能力とは別に
芸舞妓自身がかもし出す雰囲気です。
ただ「かわいらしいなぁ」というだけでも
客がいつまでもお座敷をかけてくれるとは限りません。
時間とともに確実に失われていく
「若さ」だけに頼っていられる世界ではないのです。

そのためには、
多くの芸舞妓全体の中で
自分はどういう位置づけなのか、
特色はどこにあって、何が武器になるのか。
自分らしさ、アピールポイントについて
考え、それを磨くことが必要となります。
周囲との協調性を忘れることなく、
オリジナリティを発揮していくことは
並大抵のことではありません。

それらを、彼女たちは
働きながら学んでいき、
花街の一員である自覚とプライドを胸に、
プロフェッショナルで在り続けます。

そんな彼女たちに倣って、
わたしたちも働きながら常に学んでいけるよう
お客様との時間を大切にしたいと思います。



                  秘書 涼子
  


2009年02月03日

お化けが出た!




夏の怪談話ではなく、
花街には節分になると
お化けが出ます。

節分には、八坂神社で
奉納舞と豆まきが行われます。
(※上七軒は北野天満宮です)

その後、夕方からは
様々な装いに扮した芸舞妓が
お座敷に回るのです。
これを「お化け」と云い、
「越後獅子」といった
伝統的名ものから
流行を取り入れたものまで
その変装振りは多彩です。

わたくしが一度、
間近で拝見させていただいたときは
芸妓さんが新選組の格好をされていました。
確か、ちょうど大河ドラマが
「新選組!」のときだったように思います。

今夜あたり、
花街をぶらりと歩いていれば
愉快なお化けたちに
ばったりと出逢うかもしれません。


                秘書 涼子
  


2009年01月28日

「むしやしない」



前回は、花街に存在する
暗黙のルールについてご紹介しました。

その中でも、
比較的広く知られているのが
「ぶぶ漬けでもどうどす?」です。
多くの雑誌やテレビで触れられており、
京都人=いけずというイメージを印象づける
もっとも有名なフレーズではないでしょうか。

「ぶぶ漬けでも…」と言われたら
「そろそろお帰りください」の意。
そう、多くの人がご存知かと思います。

けれど、
わたくしは京都で暮らしていて
この言葉を言われたことは一度もありません。
言われたという話を聞いたこともありません。

「ぶぶ漬け」とはお茶漬けのこと。
花街ではとくに、
「お茶」のことを「おぶ」と言います。
これは、「お茶をひく」という隠語から
縁起を担いでいるためです。

そして、お茶漬けのように
小腹が空いたときに
簡単に食べられる軽いものを
「むしやしない」と言ったりします。

「むしやしない」のむし=虫。
つまり、腹の虫のことです。

「ぶぶ漬けでも…」よりもはるかに
「むしやしない」を耳にする機会は多く、
オープンにすることを良しとしない
花街だからこその誤解が
あまりにも広く浸透していることに
ときどき驚かされてしまいます。

「むしやしないやさかい」と言われれば
遠慮せず気軽にいただくことができる。
むしを抑える軽食なので
あり合わせのものでも互いに納得ができ
双方ともに恐縮する必要がない。
そういった、心の負担や気遣いを
和らげてくれる京都らしい表現です。

気配り、おもてなしといった
日本人の心が伝わる素敵な言葉だと思います。



                  秘書 涼子  


2009年01月20日

花街の御法度




花街には、
「一見さんはお断り」や「ツケ払い」など
いくつもの独特な決まり事が存在します。
それはあくまでも信頼関係に基づき
花街を花街たらしめる暗黙のルールです。

その中で、わたくしが最も感心したのは
「浮気はNG」というルールです。
夫婦や恋人と同じように、
花街の世界でも浮気者は嫌われると聞き、
親しみを感じてしまいました。

何でも、信用・信頼がモノを云う花街では
お茶屋遊びで付き合えるお店は
1軒だけという約束事があるのだそうです。
お店を変える=お店を裏切る、ということ。
花街では、お茶屋さんは違っても
「どの置屋の誰だれ」といった具合に
気に入った芸舞妓を呼ぶことができます。
スナックやクラブのように
お店を変えて楽しむ必要はないのです。
だからこそ、お世話になるお茶屋さんとの
「縁」を大切にしなければなりません。
浮気をする人は、あっという間に
街中にその噂が飛び交い、
花街に住まう女性達から嫌われてしまうのです。
ここでは、「人の噂も75日」とはいかないようです。

人様からの信用・信頼を損なってはならない。
という教えが、花街にはたくさんあります。
「祇をん まり菊」も、いつもご愛顧くださる
皆様方の信頼を裏切ることのないよう
日々、精進してまいりたいと存じます。


                  秘書 涼子


  


2009年01月13日

初寄り



寒さが日に日に厳しくなり、
ちらちらと雪が舞う日も多くなって参りました。

巷ではインフルエンザが猛威を揮っているようですが
まり菊では、うがい・手洗いを徹底し、
スタッフ一同、健康に心がけております。
皆様も、くれぐれもご自愛くださいませ。


さて、本日1月13日は
「初寄り」の日でございます。
祇園甲部では、毎年この日に
芸舞妓が舞の師匠である
井上八千代師宅に集い、新年の挨拶をいたします。

お屠蘇とお雑煮が用意され、
皆揃って新年を祝うのだとか。
そして、気持ちも新たに
今年一年もまた稽古に励むことを
誓い合う大切な日でもあるのです。

我々でいうところの
「元旦の計」のようなものでしょうか。
書初めをしなくなってから久しいとはいえ、
一年の目標などを何かに記したり、
誰かに聞いてもらうことは
存外、大切なことかもしれないと
改めて思う次第でございます。

ちなみに
社長の今年の目標は
「 昨年よりも前向きに  」。
僭越ながら
わたくしの今年の目標は
「縁(えにし)を丁寧に扱う」です。
皆様の2009年の目標は何ですか?


                秘書 涼子  


2009年01月06日

迎春




謹んで、新春のお慶びを申し上げます。

昨年4月よりスタートした
この「まり菊社長と秘書涼子」ブログも
無事、新たな年を迎えることができました。

これもひとえに、ご愛読いただいている
皆様方のおかげと、感謝を胸に抱きつつ
本年もさまざまな情報を綴る所存でございます。
何卒、引き続き宜しくお願いいたします。



さて、その4月の第1回目で触れた通り
新年明けて初めての花街の行事といえば、
「始業式」でございます。
祇園甲部では、
1月7日に女紅場学園で行われます。

本物の稲穂をかんざしにし、
黒紋付の正装姿での芸舞妓をはじめ
学園の先生方、お茶屋の女将などが勢揃いします。
「常に美しく優しく親切に」
「祇園の伝統を誇りに技芸の習得に励みましょう」
といった「芸妓・舞妓の誓い」を一同斉唱し、
厳粛な雰囲気の中、
前年の売上成績のよかった
お茶屋、芸舞妓が表彰されます。
その後、京舞井上流家元井上八千代師の
舞で締めくくられます。

振る舞われる御神酒を手に
身の引き締まる思いがするのでは、と
彼女たちの心境を想像しながら
同じ花街で商いをさせていただく身として
その心意気と日々の精進を
見習わねば、と気持ちを新たにいたします。



                 秘書 涼子
  


2008年12月30日

「おことうさんどす」





今年も残すところ、あと1日。
祇園では、お世話になっているお茶屋さんに
「お事多うさんどす」と年末の挨拶をする
芸舞妓の姿が見られます。
それが、「おことうさん」です。

各お茶屋さんは
挨拶に訪れた舞妓さんたちに
白とピンクのくす玉のような
「福玉」と呼ばれる縁起物を渡します。
云わば、お年玉のようなもの。
皮は餅で出来ていて、
中には、和小物や縁起物が入っています。

除夜の鐘が鳴り終わってから開けるしきたりですが、
近年は地方へ里帰りする芸舞妓が多く、
両手いっぱいに福玉をさげて祇園さんへ向かう姿は
残念ながら年々、少なくなってきています。

縁起物と云えば――
大晦日に八坂神社でもらう「おけら詣り」。
薄く削った竹で編んだ吉兆縄縄に
おけら灯篭からおけら火を移して、
ついた火が消えないように
縄をぐるぐると回しながら帰路につきます。
そして、その火で元旦の雑煮を炊き
新しい一年の無病息災を願います。

おけら火は19時から点火されます。
その灯篭には、願いごとが記された
「おけら木」が集められていて
それが火種となります。

車や交通機関に乗っては持ち運べない「おけら火」。
夜風が吹く中、火縄を回しながら
やがで来る新年に胸弾ませ歩く。
そんな大晦日の風物詩でございます。


本年は多大なるご愛顧をいただき
誠にありがとうございました。
来年も何卒、変わらぬご贔屓のほど
宜しくお願い申し上げます。
「まり菊 本店」を愛してくださいます
すべての方々の新たな一年が
今年以上に素敵な日々となりますよう
スタッフ一同、心よりお祈り申し上げます。



                   秘書 涼子


  


2008年12月28日

2008年も残りあとわずかとなりました。






京都市内も初雪を迎え、今朝、新雪をいただいた山々が
太陽の光を受けて美しく輝いておりました。
今年のクリスマスも全国にわたって本格的な寒さとなり、
ホワイトクリスマスを堪能なさった方もいらっしゃるのではないでしょうか。


皆さまは、どんな冬の景色に感動なさいましたか?


冬のメインイベント・クリスマスが終わり、今はもう年越しの準備‥。
祇をん まり菊本店でも、31日の大掃除をもって2008年の営業を終了させていただきます。
私たちは店内の大掃除をし、年越しそばを食べ、そして八坂神社へお参りに行く予定でございます。

店頭でお買い物はしていただけますが、お電話でのご注文は
次回お届けが1月6日以降となっておりますのでお間違いのございませぬようお願い申し上げます。


新年が明けましたら1月6日からお店は開いております。
皆さま、2009年も笑顔で迎えられますように。


まり菊スタッフ一同、心より感謝の気持ちを込めて。