日々是成長

祇をんまり菊本店

2009年02月10日 14:59




「KY」という言葉が広まって
空気が読めない者への風当たりも
随分と強くなった気がします。

空気が読めることは
花街においてとくに重要なことのひとつ。
芸舞妓にとって
場を見て立ち居振舞う力…
いわゆる「座持ち」が必要です。
彼女たちは様々なシチュエーションで
多くのお座敷を短期間にこなすという
仕事経験の質と量によって
「座持ち」を培ってまいります。

お客様の顔色や関係性、その場の空気を読み、
適切なサービスで場を和ませること。
人と人との間を取り持つこと。
もてなしの場をつくり上げること。
それらの能力が「座持ち」です。

芸舞妓にとって「座持ち」は己への評価であり、
客にとってはお座敷を頼むかどうかの基準になります。

そして、さらに重要なのが
お座敷で求められる能力とは別に
芸舞妓自身がかもし出す雰囲気です。
ただ「かわいらしいなぁ」というだけでも
客がいつまでもお座敷をかけてくれるとは限りません。
時間とともに確実に失われていく
「若さ」だけに頼っていられる世界ではないのです。

そのためには、
多くの芸舞妓全体の中で
自分はどういう位置づけなのか、
特色はどこにあって、何が武器になるのか。
自分らしさ、アピールポイントについて
考え、それを磨くことが必要となります。
周囲との協調性を忘れることなく、
オリジナリティを発揮していくことは
並大抵のことではありません。

それらを、彼女たちは
働きながら学んでいき、
花街の一員である自覚とプライドを胸に、
プロフェッショナルで在り続けます。

そんな彼女たちに倣って、
わたしたちも働きながら常に学んでいけるよう
お客様との時間を大切にしたいと思います。



                  秘書 涼子

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